よくあるご質問
Q.

子どもの矯正、治療中はどんなことに注意すれば良いのでしょうか?

A.

子どもの矯正治療では取外し式の装置を使う事が多いので、決められた時間、正しく装置を装着することです。また、お口の中と装置と両方を清潔に保つことも大切です。

Q.

大人の矯正、治療中はどんなことに注意すれば良いでしょうか?

A.

注意することは、装置を壊す堅いものを食べないことと、何か食べたら、すぐに食べカスをきれいに取り除くことなどです。矯正治療中にお口を清潔に保つ習慣が身につくと、矯正治療後も清潔で健康的な状態が保ちやすくなります。

Q.

矯正治療中に出産できるのでしょうか?

A.

はい。問題ありません。むしろメリットがあるかも知れません。

歯周病は早産のリスクを高めますが、矯正治療中は定期的にお口の中をチェックするため、気がつかずに歯周病が放置されることがありません。
このため、妊娠中に矯正をされている場合、結果的には早産のリスクを下げているとも言えるでしょう。
実際、矯正治療中にご出産されている方は多数おられます。

Q.

矯正治療はお金がかかるのでしょうか?

A.

はい。健康保険が適用できる場合が限られるため、多くの方は自費の対象となり、ある程度のお金がかかります。

でも、きちんと矯正治療をしておくことで、歯を健康に保ちやすくなります。
その結果、その後の歯科治療費や、医療費があまりかからないと言うことにもつながります。
よって矯正治療を受けることは健康的で、トータルではかえって経済的でもあると言う見方もあります。
このようなことから、欧米ではきちんと矯正治療をしていることがスマートであり、ステイタスになっている面もあるようです。

Q.

矯正治療を受けると歯ならびが良くなる他に何か良いことがあるのでしょうか?

A.

はい。矯正治療をきちんと終えられた方は、歯ならびがきれいになり、歯磨きがしやすくなります。

また、矯正治療中にお口の中を清潔に保つ技術と習慣が身につきます。これらの結果、虫歯や歯周病にかかりにくくなります。

口元のバランスが整うと、見た目にも格好良くなります。
舌や唇の癖をなおすと、食事をしている姿も美しくなります。

治療を終えられた方は笑顔に自信がもてるようになったとおっしゃる方がたくさんおられます。

Q.

歯並びを治すのに歯を抜かないとダメなのでしょうか?

A.

抜かない方が良い場合もありますが、歯を抜いた方が良い場合もあります。

健康な歯を抜いて良いのか抜かない方が良いのか、この議論は今から約100年前にさかのぼります。

1890年代に現在の正常咬合の概念をつくったアメリカのEdward Angleは「矯正歯科治療の目的のために歯を抜く」ことは、「人には本来、完全な歯列を有するという能力がそなわっている」という立場に立つならば、とても間違ったことのように見えたため、「人は皆、親知らずを含めた32本の天然歯が理想的に咬合する可能性をもっている」と言う事が1つの信条となってしまいました。小さなあごの骨の上に並びきらない歯を並べようとするため、歯列を横に広げて治療することが主流となりました。

1920年代に歯学雑誌上で抜歯論争が起こりましたが、これに彼が勝ち、1930年代になるまで全ての人について歯を抜かないで治療をすることが主流になってしまいました。

この対極にある考え方をしたのが彼の弟子でもある、1900年代半ばに活躍したオーストラリアのRaymond Beggです。
近代社会では柔らかい食物を採るようになった結果、歯の咬む面と歯と歯の間がすり減らなくなっている。このため、「現代人のほとんどすべての人に歯を抜く必要がある」と言うのが彼の主張でした。

ちなみに、歯を抜いて治療をする方が歯列を広げて治療をするよりも、難易度が高く、固定式の装置を使う必要があります。ヨーロッパで広く用いられていた取外し式の装置ではこのような治療ができないため、このような装置を好んで使う者の中で装置の欠点に触れたくないために本題とは別の理由で歯を抜かないことを支持する者もいました。

どのような歯並びの患者さんでも歯を抜かずに治療をし、それでは治らないこともあるとわかり、1960年代初め頃には半数以上の患者さんが歯を抜いて治療をするようになっていました。しかし、この時期をピークに徐々に歯を抜く割合が減ってくることになりました。

歴史を振り返れば数十年を経て、極論から極論へと振り子が揺れるように移行したことがうかがえます。
このような議論の繰り返しをすることのないように私たちは歴史に学ぶ必要があると言えます。今日の合理的な物のとらえ方からすれば、その人の状態によって歯を抜く必要がある場合もあり、その割合はどういう人を対象としているかによって変わると言えます。